少額訴訟制度について

 少額訴訟という言葉は聞いたことはおありでしょうか?民事訴訟法という法律が改正されて平成10年1月1日よりいよいよ施行されることになりました。今回の改正の大きなポイントの一つがこの「少額訴訟制度」です。知識としてしっておいて損は無いと思います。


 少額訴訟とはどんなものか?
 さて少額訴訟とはそのものズバリで「少ない金額」の事件についての裁判です。特徴としては

 などがあります。例えば、貸したお金を返してくれない。売った代金を払ってくれない、敷き金を返してくれない等があります。


 やり方
 この少額訴訟はその名の通りに少ない金額の請求を求めるものなので、基本的に弁護士などは、間に入らず個人で行うことになると思います。(というのはこの金額だと報酬が少なくまず受託する弁護士は少ないとおもわれますし、頼まれるあなたもせっかく金銭を取り戻したところで、少ない金額からまた報酬金がひかれてしまうので割があわないと思います。)ようは本人による裁判手続きを簡便化するというものになります。ですので、自分でできる裁判だということになりますね。

 1)まず、裁判所は簡易裁判所というところになります。そして忘れてはいけないのが「管轄」というものです。簡単にいえば、場所が違うということ。なわばりがあるということですね。これは相手の住所地か支払いの約束の場所、あなたの住所地のところにいけばまず間違いはないです。

 2)訴状の定型サンプルが裁判所には置いてあります。そしてそれにそって書いていけばいいのです。わからなかったら、裁判所で聞けばいいのですが、裁判所は中立の立場なので、あなたに有利になること不利になることなどのアドバイスはしてくれません。不安でしたら、法律専門家に相談ということになります。

 3)証拠の提出
 そんなに難しく考えないでいいです。一般的な領収書や、念書、覚え書きなどです。担当の書記官からの指示等もあるとおもいます。がやはり不利有利については教えてはくれません。

 3)第1回口答弁論期日
 これもなんかややこしい言葉ですが、これが裁判のイメージでしょうかね。必ず出席してください。なんでい俺はこんな借金はしらねえ、シカトだ。なんていっていると勝手に相手の主張が正しいとされてしまい、払ういわれもないものを、払わなければいけなくなってしまいますよ!

 4)判決
 基本的に一発勝負で1回で終わるのがこの少額訴訟の特徴です。はやいですね。おわったあと2週間以内に異義が相手からでるか自分がしなければ、これで裁判はおわりです。

 かなり簡単に書いてますので、実際にはこの他にまだすることはありますがなんとなく流れを掴んでいただければいいと思います。基本的に弁護士を雇う程たいしたものではないけれど、なくすと惜しいぐらいの事件なのでぜひ活用して下さい。


 最後に
 アメリカなどは俗に訴訟社会といわれ、逆に異常な程になっているとおもいます。が逆に日本の場合は2割司法といわれ、2割ぐらいの人しか救われていないといわれます。これは弁護士の数の少なさ、無弁地域の多さ、日本人の民族性、我々法務家のPR不足などもあるとおもいます。また裁判に時間とお金がかかりすぎることなども大きな原因の一つでしょう。が裁判はそんなに難しくなく、現に個人訴訟の本などは本屋にあふれるほどでています。またこの少額訴訟は少なくとも30万以下の金銭訴訟ではかなり迅速かつ安いというものです。

 とにかく、「法の上で眠れるものは保護しない」という言葉があるように、自分のことを守れる最低限の知識はもっていて損はないとおもいますよ。


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